フィドルの難しさ(ギター弾きより見たる)


7月にフィドル(バイオリン)の練習をはじめて、最初仰天したことについて書く。これ、急いで書いておかないと、次第に「ええっ?」と思わなくなってきたのです。

さて、驚いたのは右手の使い方の、ギターとの根本的な違いです。

ギターというのは、右手は弾きっぱなしでもよくて、几帳面な人はきちんと止めますが(!)でも音を出してから止めるまでは何もできない。せいぜい振り回してみたり、客を指さしたりするくらいです(やらない方がよい)。しかしバイオリンの場合、音を出してる間、基本的に弓が弦についてる必要がある。そうじゃない弾き方もあるとは後々知ったが、初心者はまずここから。

これ、慣れるのに結構時間がかかった。特にスラ―。ギター族の場合スラーというのは、右手の仕事が終わってから左手ががんばるわけだが、バイオリンでは右手を正確に動かしつつ(上級者は表現なんかもつけつつ)左手もがんばるという高等技が必要になる。ビブラートもそう。ビブラートは初心者はやらない(やってはいけない)のだけど、困難さは当初から容易に想像ついた。

更に、ぼくだけじゃなくピックで弾くギター弾きが必ず戸惑うであろう点が、アップダウン。

Π ΠV Π ΠV

ギターでこう弾くとこを、フィドルではこうやる。

Π VΠ V ΠV(「ホーダウン」の基本はまさにこれ)

上の例はギターやウクレレを初心者に教えるときの第一関門である「空(から)ストローク」なんだが、フィドルだとアップダウンが逆になってOKというか、弓を離して戻すより、つけたままのが普通ということ。これも初心者レベルは、ということのようではあるが。

初心者向けのフィドルのインストラクションビデオなんか見てると、同じフレーズを1回目と2回目でアップダウン逆に弾いてたりしてて、ぼくなんかは目が丸くなりましたが、とにかくこういうことも早くメモっとかないと、最近だんだん慣れてきたもんなあ。

<おまけ>
教本はこの2種を使用中。この2つのシリーズ、マンドリンと同じで、”Teach yourself bluegrass”シリーズの方がとっつきやすいです。ただし、こちらも「すでにバイオリンが弾ける人向け」とちゃんと断っているので、ハードル高い。

Teach Yourself Bluegrass Fiddle / Matt Glaser (Amsco)

ローウィンガーの方はかなり難しく、しかしダブルストップ、スライド、ブルーノートなどのテクニックを重視してて、弾けたら面白いだろうなあと思います。

Bluegrass Fiddle / Gene Lowinger (Oak)