Kerfunken Jigの話


マーティン・ヘイズのアルバムLonesome Touchに入っているとてもスローなジグ”Kerfunken Jig”。
読み方わからない。なんかテレフンケンとかドイツの香りがしますよね。しかしこのタイトルの謎がとけたのでメモっておきます。

Mary MacNamaraの”Traditional music from East Clare”というCDに収録されている。こちらのタイトルはKerfunten Jigとなっていて、ライナーの解説によると作曲はハミー・ハミルトン(フルート奏者、製作家)。Kerfuntenはフランス・ブルターニュ地方カンペールにある地名で、ハミルトンがそこに滞在中に作曲したとのこと。

地名とわかったのでもうちょっと調べると、正しくはKerfeunteun(ケルファンタン)だそう。フランス語だったのか。それでなんだか不思議な綴りの謎がとけた。

Kerfunken Jig – Basic Fiddle Lesson (FiddleHed)

このYouTubeビデオのコメント欄によるとハミー・ハミルトンが間違ってKerfunkenと呼んだということらしいので、Mary MacNamaraのCDにおいては気を利かせて(?)”Kerfunten”にしたのかもしれない。それはよくわからない。いずれにせよ正しくはKerfeunteun。たいていの人はあまりそういうことは追求しないせいと思うが、KerfuntenまたはKerfunkenでGoogleを検索するとアイルランド音楽の曲名ばかりヒットする。

なおThe Sessionという誰もが参照するサイトではこの曲はKerfunkenでもKerfuntenでもKerfeunteunでも検索できるし、コメント欄ではその語源が議論されていました。さすが。

The Kerfunten (jig)
https://thesession.org/tunes/139

以上、あまり音楽の役に立たない「アイルランド音楽ちょっといい話」でした。


マーティン・ヘイズのフィドルには、なんとも妖しいエモーションを感じます。デニス・カヒルの伴奏はギタリストの鑑。


マーティン・ヘイズと、そのお父さんの故P. Joe Hayesも一部参加。ほとんどコンサーティーナ1本の演奏なのに、すごくグルーヴ感があって、好き。