「ラビ 女です」とシングル「時よおやすみ」

前作「ひらひら」のジャケットこわい路線はサード「ラビ女です」も続き、薔薇をバックにラビの暗い顔がぼーっと浮かんでいる。これも写真ではなく絵だ。サードは「女です」というタイトルもなんとなく怨念を感じさせる。

音楽的には、ラテンパーカッションの入った A-1, A-2 を筆頭にソウル、ブルース・ロックなどの要素の濃いバンドサウンドになっている。バックは当時人気だったバンド「トランザム」。ラビのボーカルは力強さを増している。2nd と 3rd あたりが一番万人におすすめできるアルバムだと思う。最終曲「太陽」のレコーディングには春日博文(カルメン・マキ & OZ)がギターで参加していたが、最終ミックスで消されたのだそう。それも聴いてみたかった。

3rd と次のアルバムの間にテレビドラマ・シリーズ「結婚前夜」の主題歌だったというシングル「時よおやすみ」が発表されている。ジャケットは赤い鼻緒の下駄のイラスト(吉田カツ)。「下駄をなげてお天気を知るようにくらし」という歌詞からとったもの、と説明されなければなんだか意味不明だろう。

レゲエ風に三拍目にバスドラムが入るアレンジは、当時かなり斬新だったのではないだろうか。サウンド的にアルバム数枚飛び越えているなあと思って調べると、編曲の星勝は 7th「会えば最高」でギターと編曲を担当していた。 (1999.02. 1999.03.17 一部更新)



中山 貴弘

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