「はだ絵」以後

6枚目のアルバム「はだ絵」は刺青女の後ろ姿のイラストがジャケット。サウンドがいかにも「ニューミュージック」風で、これ以降のラビはあまり好きでない。A-1 はいいと思うけど、曲はともかく、どうも演奏がよくない。フォークの人が電気楽器にもちかえただけ、という感じ。

続く「会えば最高」のジャケットは好き。右半分白、左半分黒のポロシャツを着たラビが赤いグローブをはめてアッパーカットのようなしぐさをしている。しかし80年代初頭に流行ったフュージョン系のロック的な演奏はやはり好きでない。ボーカルも変に力んだ感じがする。

その次の「MUZAN」でラビは突然変身する。レコードを見つけてから長い間買うのをためらった。あの時分 - 80年代前半頃 - 流行った「大人向けの女性歌手」的なイメチェンをしようとして思いっ切り外してしまったような気がする。パーマをあて、黒いメッシュの衣装を着たラビはちょっとこわい。これ以降はプロデューサーが加藤和彦である。そして、作詞か作曲を他人に任せている。

以降、ラビが詞を書いた「SUKI」やイタリア人のオケをバックにした「甘い薬を口に含んで」などはちょっと興味があるのだが、未聴。「MUZAN」以降のおしゃれ路線はキティの大失敗だったのじゃないだろうか。そもそもキティはジャケットのデザインなんかもいまいちだし、日本のロック文化をかっこ悪くしてしまった罪科があるのでは。カルメン・マキとかもその時分のアルバム・ジャケットはすごいかっこ悪いです。なにより、「ぼくのラビを返せ」と叫びたい気持ちだったりする。もう遅いけど。

CD化されているのはここまでで、その後「BALANCIN'」というレコード&CDが87年にCBSソニーから発売されているが、再発されていない。テープをもらって聞いたが、残念ながらこのアルバムにはもはや精気が感じられない。


(1997.11.25, 最終修正 98.12.24)

中山 貴弘

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