99年5月1日 立川「地球屋」ライブ

見る前は3月のライブと同じようなものかと高を括っていたらとんでもない、曲目メニューにさらに数曲が加わり、前回は弾き語りに近かった曲もバックをつける等アレンジを変え、演奏も、一曲毎にチューニングに気を遣いエンディングを合わそうと四苦八苦していた前回に比べ格段に良くなっていた。

演奏された曲も「私ってこんな」から今のところ一番新しい「バランシン」まで、どのアルバムからも万遍なく選ばれている、おそらくラビ自身のフェイバリットと思える内容。ファーストアルバムの曲なんてライブで聴いたのはおそらく初めてで、それはもちろん嬉しかったのだが、周りの評価なんかを考えると70年代の曲に偏ったメニューにしても不思議はない中で、すべての時代の曲にラビは等しく愛情をもっているのだというのが証明されたようで、80年代のライブに親しんでいた私にとっては、それがとても嬉しかった。

そしてこれは前回も感じたことだが、客層を見るとともすると和気あいあいになってしまいそうな雰囲気の中で、ステージが始まると自分の世界を見事に構築し、曲間の語りを極力排し観客を歌の中へ一気に引き込んでいくラビが健在であることに感嘆した。

あえて言わせてもらえれば、この日の総花的なメニューからはラビの現在というのは見えてこない。これだけ歌い聴かせることができるなら、やはりもう一度前線に復帰してもらい、新作を望みたくなる。一時的なものだけではあまりに惜しい。

演奏された曲目は以下のとおり。

1.  エントツと煙
2.  あてのない一日
3.  昔の知恵は今滅びてく
4.  何年ぶりかで
5.  二十才になっても
6.  眠れない夜
7.  あんた
8.  その気になってるわ
9.  コーヒータイム
10.  愛のレッスン
11.  ウーララ
12.  ノスタルジィ
13.  銀と白
14.  夢のドライブ
15.  グッバイ上海
E1. さわれますか
E2. ドアをあけて
E3. ひらひら

松沢明彦. 1999.5.11投稿

レビューページに戻る