99年10月30日 武蔵野公園 はらっぱ祭りライブ

森をぬけるとそこには別世界があった。というのは決して大袈裟ではなく、祭り の行われている公園の一角はまさにそんな場所だった。韓国、台湾、インド、バ ングラデッシュ、タイ、スリランカ等々その国の出身と思われる人たちがやって いるエスニックの屋台が並び、その周りにはそこで寝泊まりしようとやってきた 人々のテントが林立する。この祭りの成り立ちや趣意は知らないが、この様子を 見て2日間(前後を入れると4日間か)の祭りを楽しもうする参加者の取り組み方 から、国分寺あたりを中心とする中央線沿線の独特な文化といったことまで思い が及んだ。

それほど大きくはない、竹で作った骨格を白い布で覆ったステージは、また周囲 の雰囲気にマッチし、前に座って聞いている人もいる一方、少し離れた後方の丘 (くじら山)に座って聞いている人たちもいて、皆自分の好きなように楽しんで いる。

ラビのステージは予定より20分程遅れて始まったが、午前中からいくつものバン ドが演奏している中で、その程度の遅れで済んでいるのは立派で、また音のバラ ンスも良く、運営がしっかり行われていることに好感がもてた。

シマウマ柄(?)のシャツの上に黒のジャケット、黒のホットパンツに編みタイツ にブーツといういでたちのラビのステージは、弾き語りかという勝手な予想に反 してドラムス、ベースを入れたバンドで行われた。萩原信義の電気ギターは生ギ ターの時よりも存在感があり、石井K介のエレピがバンドの演奏にメリハリをつ ける。ラビがギターを弾いたのはM8だけで、あとはハンドマイク片手にまさに貫 禄のステージといった風だった。祭りに合わせて選曲したのか、特に始めの3曲 は観客をのせるのにあまりある程のパワーで、気がついたらそれまでののんびり した雰囲気から一転、ステージの前で立って手を挙げて踊っている人がたくさん いた。個人的に嬉しかったのは、M2とM6。かつてライブで良く聴いたせいか、そ れが10数年振りに聴いたことにあとで気がついたほどだった。選曲の妙で「お ぉ!」となったのはM3とアンコールのM10。ステージで何度も失敗しても演り続 けているM5や、「この場所にぴったりな曲」という紹介のあったM4も含めて1時 間のステージを本当に堪能した。

来年のはらっぱ祭りのことや、年末のライブもぜひドラムスとベースを入れて欲 しいと思いつつ、まだまだ続く祭りの場を後にした。

演奏された曲目は以下のとおり。
M1. ドアをあけて
M2. 困った女
M3. そんな時、最高
M4. 川にそって
M5. コーヒータイム
M6. スローモーション
M7. 銀と白
M8. 夢のドライブ
M9. グッバイ上海
M10. たいへんだあ!(アンコール)

松沢明彦. 1999.11.5投稿

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