中山ラビについて

 ラビのアルバムは初期の頃の5枚は持っている。この人が何者なのか、結局さっぱりわからないまま、どこかへ消えてしまった。ハードロックの人みたいに、フォークの歴史の本にはよく書かれているけど、この人の唄はモロにフォークだと思う。個人的に好きだったのは4枚目の弾き語りだけでまとめたアルバムだ。「もうすぐ、一年が」「ひとりっこ」「20才になっても」など、社会性色がない唄の方がラビには似合っていた。初期の「こえられない」の路線の唄がとても好きだった。まあ、ラビに惹きつけられたのは「十三円五十銭」が最初だったけど。

 この人も、かなりの名曲があり、低いインパクトのある歌唱があり、言葉の作り方もうまいにもかかわらず、なぜか、古きフォークファンでも、「中山ラビ?知らんなあ」と言う。確かにヒット曲はない。代表曲が「ひらひら」とよく本にあるけど、そりゃ失礼だ。なんぼでもいい唄はあったはずだ。

 80年頃、加藤和彦のプロデュースで、復活アルバムを出していたが、話題にもならず、消えていった。今、CD化されているんだろうか?私も所蔵LPが行方不明のため、タイトルが思い出せない唄が多くあり、もっと、語りたいのであるが苦戦しているのが本音だ。フォークの台頭の歴史の中で、多くのこういうシンガーが、人知れず現れ、消えていったと思う。たいていは、ケメだのなんだのと一時ブーム的な人が多かったと思うが、ラビのような実力派もいっしょくたにされて消えてゆくことが残念でならない。今まで、無数のフォークファンと語ってきたが、今だに、ラビを理解していた人に出会ったことがない。

 ラビについて、語れる方を募集しています。私もこの人について、何も知りません。ぜひ、よろしくお願いします。「最新型エアコンから、流される、あの文明のため息」で終わる「夢のドライブ」がベルウッドスペシャルみたいなアルバムにこっそりと入っていた。うれしかった。

松井洋一 IZS00422@nifty.ne.jp [永遠の少年のホームページ]


上記文章は1999.02.12 に投稿していただきました。
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