2001.03.28 心斎橋BIG CAT
ヒデ坊のアイルランド訪問もますますひんぱんかつ長期化しているように見え
るのだが、開演前に友人と「ん?今日ヒデ坊出るの?」なんて冗談を言っていたとこ
ろ、オープニングが男4人での「おんぼろの夜明け」だったのには驚いてしまっ
た。次の「Go Go フーテンガール」からは真打登場という感じで出てきたので
ホッとしたが、その後も「平和に生きる権利」など抜ける曲があったのがさび
しかった。
続く「サヴァイヴァーズ・バンケット」を見ていて、ソウル・フラワー・ユニ
オンは最近ロックのクリシェをやることに抵抗がなくなったんだなと思った。「ク
リシェ(=決まり文句)」といったのは、例えばこの曲でのいかにもロックらしいギターのフレーズなんかを指している。
その後MCで「(登川誠仁プロデュースについて)また民謡?って
思ってるんちゃうん?」とか「ソウルフラワーがまだロックバンドやと思って
いる奴ら」とか発言する中川は、やっぱりある種こだわりがあるのかもしれな
い。しかし全体として非常にストレートな、ロックバンドらしいライブだった。
中川は1月にポリープが再発したという。そのせいもあってか、曲のあいまに
息切れしてしまう(そもそも歌ってMCもやって、と大変な)のを、奥野がか
ばって「オクノMCタイム」に入る、というほほえましい場面も見られた。しか
し奥野、「きょうはしゃべりたいことが、、、10分くらいあるねんけど、、、」
のみで言葉につまり会場はしーん、中川に「おまえほんまにラジオのパーソナ
リティやってたんか」とつっこまれる。
「平和に生きる権利」はヒデ坊のギターがない分、奥野ががんばった。「グリー
ンスリーブズ」のメロディーをモチーフに、延々ピアノソロを披露。曲のあと
中川が「オクノ、いまのプレイよかったな、ほんま」とめずらしくほめていた。
他にも「風の市」のイントロでオルガンがすごくよくハネていて、演奏中なの
に中川が「オクノ、ノリノリやん!」と声をかけたのが印象的だった。最近ボ
ニーピンク以外にもウルフルズとか新人とか、外仕事の多い奥野、ホームグラ
ンドに戻って大活躍だった。
曲目の構成はいつもとやや違っていた。確かユニオン初披露のアイルランド民謡「ラグランロード」や「団結は力なり」のギターフレーズから入った「夏到来」、「満月」、カバー曲再演「クレイジーラブ」などの中盤のスロータイムをはさみ、本編の最後は「もののけ〜」で終了。アンコールのパート1が「エエジャナイカ」「海ゆかば」、パート2が「ホライズンマーチ」、であった。今回は新曲なし。
次のツアーはレコ発直前ということになるので、さらに新しい構成を見せてくれることを期待したい。
2001.04.10 中山貴弘
魂花レビュー