2001.8.19 ポッポまつり

神戸・須磨の復興住宅での夏祭り。2年前に自治会発足のまつりがあって、その時に もモノノケが出演している。

この日は昼に新長田駅前のイベントにも出演したが、強風のため音が聞こえにくく、 特にMCがほとんど聞き取れない悪条件だった。その風も夕方には弱まった。

まつりには事前に予告のなかったふちがみじゅんこ、石田長生が出演。ふちがみには 大熊亘がバックにつき、石田には内海洋子がコーラス参加して「アイコアイコ」から メドレーで河内音頭の「えんやこらせ〜」を歌うという、めずらしいものを聴くこと ができた。

モノノケは洋子・中西智子(チンドン)、山口洋(AG)、大熊、そしてドーナル・ラ ニーが参加するという大がかりなものになった(伊丹はチャンゴ)。後で知ったのだ が、ヒデ坊のインタビューが掲載された本「これがボランティアだ!」(晶文社, 20 01)でこのポッポまつりの計画が少し語られている。ヒデ坊は長田つづら折りからの 流れでこの祭りを考えていたようで、まさにその再現といえる出演者の豪華さではな いだろうか。

そしてモノノケの演奏内容は、中川が「95年以来の集大成」と言ったとおりのものに なっていたかと思う。というか、新曲は「東京キッド」だけなので、そりゃそうか。 この曲と「ヒヤミカチ節」はまだまだこなれていない感じだった。 一方ドーナルが参加しての「アリラン〜密陽アリラン」、神戸では必ず演奏される「 安里屋ユンタ」は何度聴いてもいいできである。沖縄の人が結構多いらしくて、時お り指笛がきこえてくる。

最後は盆踊り大会がひかえているので時間切れ、急いで「復興節〜東京節」が演奏さ れるが、結局アンコールでおきまりの「さよなら港」で終演。中川は色々MCもしたい みたいだったのだが、ちょっとあわただしかった。

祭りの途中でおばちゃんたちが「わたしらは歌謡曲とか演歌とか聴きたいのに」と言 っているのが聞こえた。結構きびしい話であるが、そんな中で河内音頭を歌ってみせ た石田長生にはプロ意識を感じた。そしてモノノケは多分、やりたいことと求められ ているものが一致している幸福な例になっているのだと思う。

2001.8.26 中山貴弘

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