Mononoke in Nishinomiya Kitaguchi 97.07.13 ぼちぼちいこや会主催イベント(西宮北口市場跡)

阪急西宮北口の駅を降りてびっくりした。震災前、確かありの巣みたいにあった市場が、ほとんど完全な更地状態だからだ。
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七時ごろ趙博に続いてモノノケ登場。メンバーは、大熊欠場(中川「一時間前に東京から電話がかかってきて、『今おきた』」・・・)の他は全員。おひさしぶりのフィドル光介、トロンボーン大原裕、ケンガリ趙博。太郎は縦型の和太鼓に木枠を組みチンドンのかねをくっつけてかついでいた。(中川「なんでそんな重そうなもん持ってんねん」)多分ステージがせまいことを考慮してか。このチンドンセット、大工稼業再開中という太郎の自作だろう。重いらしく、ちょっとしんどそう。「太郎ちゃん、がんばれ」という声援が飛ぶ。

見物人の雰囲気がよい。ステージはとても小さく、再建途中とおぼしき飲み屋の庭にパイプを組んでつくったもの。ぼくは長田の地蔵盆を思い出していた。地蔵のある家のうちいくつかがちょっと有名な歌手を招き、こんな感じでミニライブをやっていたものだ。駅を降りた通りがかりの人がひょっと「何?」と見物に集まる、という条件ではなかったのが惜しいとも思うが、こんな親密なモノノケを観るのは実は久しぶりだ。

演奏もよかった。「ハイカラソング」にはじまり、なんだかあっという間の一時間で、

中川「次が最後の曲です」
客「ナンセーンス」
などという安保反対?みたいなやりとりがあって「さよなら港」(今日は河村がシャウト)。客は全くおさまらず、アンコール「東京節」。

ちょっともの足りなさも感じつつ、会場を後にした。復興っていったいいつの話になるんだろう。この一大ターミナル駅の鼻の先にぽっかり広がった空き地は何なのか。蚊の出そうな水溜りがあちこちにできた空き地を歩きながら、そんなことを考えた。

8.23の長田での地蔵盆ライブで、モノノケサミットのセカンドが先行発売されると告知された。ちなみに東京方面の人には8.17/18の寿・新宿西口ライブで先行発売されるそうだ。(タイトルは「レヴェラーズ・チンドン」だそう)
1997.7.14 中山貴弘

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