97.9.21 Asia Month '97 97.9.21 アジアマンス '97

福岡市で催される「アジアマンス」はアジア各国の文化(映画、音楽、芸能、料理等)を通じ、お互いに理解を深め合おうという大風呂敷を広げた(笑)イベントである。

1ヶ月に渡り行われるのだが、屋台が出たり、フリーコンサートが行われたりの1週間が最高潮に盛り上がり(たぶん…全日程参加しておりません、あしからず)そのステージの「大トリ」を飾ったのが、我らが(わはは)ソウルフラワーモノノケサミット!こうなりゃ、我が拙き筆力を振り返ることなく(…)レポートせねばなるまいて!(……)

太郎さん欠席の6人にみわさんが加わったモノノケ7人衆は、それぞれの音を発していた。

追っかけ状態に陥っている私だけでなく、モノノケを見たことも、聞いたことも無い方々(パンフの写真には「ソウルフラワーユニット」、本文は「ソウルフラワーユニオン」と記されていた…)も、怒濤のチンドンに乗せられたのか「喉、乾いたぁ!」にビール1箱差し入れたり、「芸人にはな…」と暗なる金銭の請求(…笑)にも笑ってお捻りを投げるという盛り上がり。殆ど通路の位置で見ていた私の周りでは、「楽しいね」と足を留めた方々がどんどんステージの方へと進んで行くのが見られ、道端楽団モノノケを再認識した。

ソウルフラワーはよく「結束・団結・強固な集団」と表される事が多いと私は思うのだが、ライブに関してのみ言えば、良いのは「個々の音」がより強力な時だという気がする。その場で一番冴えた音が心に響いてきて、それが刻々と変動しつつ一つとなるのだから。ここで(くだらん)例え話。S.F.という大河があるとしよう。支流の味は、皆違う。うまい!。その後、一気になだれこむかの如き本流をごくごくと。めちゃうまっ!

そして、この日のライブはチャンゴ・チンドン・クラリネット・アコーディオン・ベース・三線・唄・お囃子が、淀む事なく聞こえてきた。出色はアンコールでも演奏「アリラン」。又、元々はアイヌの人々が「霧よ、晴れて貰えないだろうか」と唄った「アランペニ」を、原語を解さぬであろう人々の前で自唄として演奏するモノノケに潔い決意を感じると共に、この唄の根本であろう祈りの気持ちも見えた気がした。

音楽で伝えられるのは断片だと思う。大きなイメージと、鋭い意志の小さなかけら。どちらも自分で補わない事には、完全型にはならないのだ。結構、厳しい。だからこそ、S.F.にはずっと「楽しい音」であって欲しく、上出来のこのライブはとても、嬉しいモノだった。心から「ありがとう」を贈らねば。有り難や、有り難や!

会場説明が一番最後になってしまった… 野外フリーコンサートで、福岡市役所西側広場にステージを特設。小雨模様の恵まれぬ天候(?)であったが、市役所の壁面に人の造った星や月がきらめき(レーザーでお絵かき)ご機嫌な一夜となった。

1997.11.14 山口 源 (9/21 19:00-21:00 アジアマンス’97)

魂花レビュー