97.10.19 Don't forget 1.17 97.10.19 「忘れんとってね1.17」(神戸市 Nafsha)

まずアナウンサー有光さん、俳優堀内さん、鷹取教会の神父神田さん、お寺の住職宮下さん(それぞれボランティア団体の代表)、というメンバーでディスカッションがあり、その後モノノケのライブ。当初ライブは鷹取教会で、と通知されていたのは、どうもこの神父さんのことだったみたい。
場所はビルの一階の喫茶店で、席をなくしてゴザをひいていた。しかしライブが始まる前から、主催者から「立って下さい」みたいな感じで声がかかり、みんなぎゅうぎゅうで立ち上がってしまった。ぼくは一番後ろにいたので窓枠によじのぼって高みの見物をした(ややこわかった、、、)。「ロック」のライブだからって別にオールスタンディングでなくてもいいと思うんですけどね。

セッティング全くなしでメンバー達入場。モニターの調整がてら、趙博さんが前座でうたった。ひょっとしたら初めて趙博さんのうたをちゃんと聴けたのかもしれない。特に「みんなが知ってる曲やろか。私に電気スタンドを買って、という歌」という前置きではじまった「スタンド・バイ・ミー」(クラリネットであわせていた大熊が帰ってしまった。。。)と「上を向いて歩こう」のメドレーでは、とても暖かみのある声を聞くことができた。いい声だと思う。

モノノケはわりと短めのライブだったが、中川がいい感じ。今度は紺のチェ・ゲバラ(色違いを買ったのか?)Tシャツだった。「きょうは新しいことはなにもないで」(中川)などとMCがあるくらいで、新しいことはほんとになにもなかった(・・・)のだが、なんていい雰囲気だろう。神戸でライブをするときのモノノケはいつも「やっぱりここが一番」などというのだが、観客のぼくもこうした小さなライブは好きだ。

中川が(ソロプロジェクトの)レコーディング中だということで、すぐに東京へとんぼ返りした。
帰る時、奥野がファンに「写真一緒にとってくださーい」攻撃をされているところを目撃。そのうちの一人が「奥野さんシャツ早く送って下さい」といっていたのをわたしはしっかり聞いた。自分のラジオでプレゼントするといっていたシャツ(たしか今年のはじめだったのでは?)をまだ送ってなかった模様。

ところで「忘れんとってね1.17」というのは、やっぱり震災が他所の地域からは忘れられているから、らしい。店内には新聞の地方版などで募集したという笑顔のイラストを描いたハガキ「忘れんとってね、Smile」が(三百枚とか)壁に貼られていた。
神戸市がキャンペーンする派手な「復興」イメージの裏では、仮設の人の他に、街を出たがやっぱり元いたとこに帰りたいという人、元いた街から離れることができなく(愛着というだけでなく財力の問題が大きい)応急処置同然の家屋に住み続ける人はかなりの数いると思う。その辺神戸市は、はっきり切り捨てるつもりみたいなので、報告しておく。仮設住人にさえ住宅が充分手当てされてはいない状態で、六甲アイランド(いまでも売れていない土地がいっぱいあるだろう)を拡張したり空港を建設して喜ぶのは当然市民の多数ではない。

カフェ&ギャラリー Nafsha は、神戸高速新開地駅西4番(西南)出口からあがるとローソンがある、その左側(東)の道を進み、信号を渡ったところ、美容院「きよ」の右側(西)のビル。ライブ企画などもされているよう。078-576-5630
1997.10.20 中山貴弘

魂花レビュー