洋子が欠場、かわりに大熊がフィーチャーされ、洋子の場所にいた。サポートはチンドンこぐれ・みわさん、コースケさんのフィドル。みわさんのチンドンはどの曲もすごく楽しそうだ。特に「解放歌」のチンドンが明るくハネた感じなのが新解釈というか、実にソウルフラワー的だと思う。

中川がなんか「長田長田」と連呼しているが、公園は兵庫区にあるんですけどね。とにかくこの付近での彼らのライブはいつも楽しい。前の方にいすがおいてあって、おっちゃん達（いつもは公園の隅で将棋をやっているはず？）が熱心に聴き、時々ステージに声をかけていた。おっちゃん達のリクエストは「河内音頭」。だが中川は「弾かれへんねん。あと2-3年はかかる」とのこと。リクエスト No. 1 は「アリラン」だというけど、次は河内音頭のような気がする。しかしサービス心旺盛な彼らがいつまでも放っておくはずがない。2-3年後にきっと披露してくれるとみた。

おかえしに中川のMC：「えーなあ思うだけやったらあかんねんで。えーなと思たらCD買う」。ところで、おっちゃんらのCDラジカセ普及度はどんなもんなのだろうか。テープも平行販売してはどうだろうか。「アリラン」はシングル切って買いやすくする、とか。（C/W アルバム未収録の「トラジ」です。もちろん）

ライブの途中、何度も鳩の群れが空を飛ぶ。傾き始めた陽がまぶしい。モノノケにぴったりのステージだ。

30分強のステージはアンコールの余裕がなくあっさり終わった。「おれらは一晩中やるつもりやねんけどねえ。30分しかあかんらしいねん」って、あちこちで何度も同じようなMCを聞くので「もうええちゅうねん」と思ったが、ちょっと本気のような気もした。

1997.11.23 中山貴弘

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