Union at Umeda Heat Beat 98.05.12 (梅田ヒートビート)

次期ソウル・フラワー・ユニオンの中心ナンバーではないかと思われる新曲「ホライズン・マーチ」ではじまる。

フロントは左から大熊、中川、伊丹。曲によってその間に洋子、むっちゃん(チンドン、コーラス)が参加。
2列目左から、サム・べネット、河村、元ちゃん、奥野、フィドル太田恵資さん。
洋子は「霧の雫」ですごい熱唱を聴かせてくれたのだが、残念ながらボーカルは一曲のみ。客の反応もかなりのものなのに、あくまで「ゲスト」じゃないとだめなのだろうか。出演するならこれまで通りいっぱい歌ってほしいと思うのだが。(*)

新曲中心のメニューだったので客のノリはあまりよくない。というか、騒ぐライブではなくて演奏を聴くライブ、という趣き。ライブで新曲を練って行きアルバムで完成品を提示したらもう次の段階へ行ってしまうこのバンドの常なのかもしれないが、今回のライブは本当に仕切り直しのイメージが強く、ドラマー交代にも関わらず集大成的なライブを見せてくれた昨年12月とは対照的だった。

気になったのは、ヒデ坊の影が薄く感じられたことだ。なんだか元気がない。そのせいかバンド全体に覇気がなかったように思う。

中川が次の新曲で終わり、というと客が「えー」と不満な声をあげる。中川「長いライブがみたい人は河島英吾みに行って。2時間ライブやって、みんなで走りに行こって走りに行って、その後また2時間ライブやったらしいで」。

本編最後に披露されたのは、大熊がアコーディオンを弾く、ポーグズ風のタテのりナンバーだった。
元ちゃんがこの曲で力を使い果たしたのかアンコール1回目はドラムがサムべネットに交代して、「裏町エレジー」などしゃりすけのナンバー(というのか?)が演奏された。
中川「このメンバーになってから日が浅いからできる曲に限りがある」というのだが、どうも腑に落ちない。ヴァイルの「アラバマ・ソング」や「悪い〜子供〜がんばろ〜」とうたう曲(タイトル知りません)など、サム・べネットがボーカルのうたがいくつもあったり、太田さんがフィドルにコーラスに大活躍だったり、しゃりすけとどう違うのかよくわからなくなってきた。
奥野と中川の共作を含むいい新曲がいくつもできているのだから、全体をもうちょっとうまく構成できなかったのだろうか。

そして、しゃりすけの時と同様やはり客電がついてしまってからだったらしいアンコールの2回目。「こたつ内紛争」でそれまで不完全燃焼気味だった客が暴れた。
曲が終わると早速スタッフが大声で客に帰りを促す。しかしまだまだ力が余り気味の客が不満な声をあげていた(・・・それはおれ)。

このすぐ後のパワステでのライブは「最高だった」と何人もの人が言っていた。次のライブに期待する。

* という意見が多かったと見えて、パワステではたくさん歌ったらしい。また、このパワステではヒデ坊が拾ったギターを白くペイントして弾いていたり、なんと洋子ボーカルの "I Don't Like" が演奏されたり、中川がMCの途中で突如 "Soul To Soul" を一瞬歌ってしまうなど、なかなかノリノリなライブが展開されたらしい。
1998.5.31 中山貴弘

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