Mononoke at Suma, Kobe 98.6.21 しんげんち祭り*

会場は神戸市須磨区役所近くの仮設、通称「しんげんち村」というらしい。 JRからも山陽からもあまり近くはない、まわりにもほとんど何もないような不便そうなところである。 このあたりには以前神戸に住んでいた頃、須磨の海岸までサイクリングする時に通りがかったはずだ。公園が仮設になったのだと思う。

そして、出演者やスタッフの控え室が仮設そのものだったのだろうか。 その辺り聞いておけばよかった。この日は大雨だったのだが、こういう時仮設で暮らすのは本当にたいへんだろうと感じた。

雨のせいでグランドがひどくぬかるみ、メインステージが使用不能になり、2つのステージをまとめて進行した。 前日はからっからの晴天でものすごく暑かったらしい。スタッフのみなさん、どうもごくろうさまでした。

モノノケは前日が沖縄。この日の昼にむこうを出発、関空に到着後電車で神戸までやってきたという過密スケジュールだったもよう。 5時を過ぎた頃ステージに登場した。

ステージ上は大満員で、メンバー+大熊さん、トロンボーンの大原裕さんに加え、チンドンみわさん、ムッちゃん、趙博さん、そしてタムをストラップで下げた もりちあき さん。 そして、沖縄では大工哲弘と共に酒を飲みすぎへべれけでステージに立ったという中川、今日は酒を抜いてみたとかで、さわやかな笑顔を見せる(笑)。

雨はほんとうにものすごく、ステージの上にはってあったテントに水がたまり重くたれさがっている。 水を落とすためにスタッフが下から棒で突き上げると、観客席の方にバケツで水を撒いたみたいに「バシャッ」と落ちた。前の方の人、びしょぬれだったのでは?

「がんばろう」でメンバー紹介兼各人のソロがあり、「アコーディオン奥野真哉!!」が飛び出したのがちょっとうれしい。 しかし、直後の「クラリネット大熊亘ぅ!」にやや食われ気味だった。次回は迫力のアコーディオンソロで他を圧倒して欲しい。

モノノケの登場前に「仮設のドン」(?前にもみたことある、作務衣・白ひげのおじさん)と仮設の「村長」さんが演説をした。 今度神戸市から支給される100万円(上限。高齢者のみ)は、恒久住宅に住んでいる・あるいは恒久住宅への移住が決まっている人だけが対象であり、仮設に住んで身動きのとれないひとには一銭も出ない、それはおかしい、と。 その通りである。本当に仮設を解消したいなら、嫌がらせみたいなことばかりしていないで、引越しする費用を出せばよいのである。神戸市の政策は倒錯している。

1998.7.14 中山貴弘

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