98.08.13 Mononoke in Kotobuki, Yokohama 98.08.13 寿町フリーコンサート(横浜寿町)*

渚ようこ改め汀ようこの出番中に到着した(おーまきちまきをまた見逃した!)。去年はすっかり後の出演者を喰ってしまった彼女、今年も大人気だ。おっちゃん達からアンコールがかかったが、時間ぎれ。
続くケムマキがかっこよい。名前はなんとなく聞いたことがあったが、見るのははじめて。サイケなファンクロックでジミヘンばり。今後期待したい。
覆面レスラーみたいなボーカルがちょっとこわいキリヒトに続いて、大熊のシカラムータ。坂本弘道の火を吹くチェロ(というか、グラインダーをとりつけていて火花が飛び散る)には驚いたが、スタッフもステージに引火するのを恐れて泡をくっていた。木造ステージなんだから…。

シカラムータは後半最高に盛り上げ、客がいい状態になったところでモノノケの出番になった。ステージの上はメンバーに加え、大熊、こぐれ、趙博、ちんどん森本、たいこ白倉、トロンボーン大原裕、そしてシカラムータの面々とずいぶんにぎやか。
昨年はPAの不調で不機嫌だった中川、今年は騒ぐ客を見て「なんかおれもそっち行きたいな」を連発していた。客席はたぶん去年と同じメンツが、「なかがわぁー、おでこ広い」「でこっぱちー」などとやっていたのだが、まあそれは内緒にしておこう。
モノノケが出てくると客のボルテージが一段上がる。

トリではなかったのでやや短く感じるステージだったが、密度は濃かった。
わりと最近のレパートリー、バタやんの「帰り舟」と「お富さん」はおやじたちにバカうけだったが、この日の一番人気は実は趙博うたう「釜ヶ崎ブルース」ではなかったか。前日ライブがあった釜ヶ崎のおっちゃん達と、距離と時間を隔てて連帯を確認し会う格好になった。

続くギャンブラーズはキーボードにKYONを含む大編成で、ブルースやラテン、ヒップホップとえらくかっこいい音楽で客を踊らせた。
トリはメジャーデビューしたばかりの「寿」。ナビィのうたには祈りとソウルを感じる。ステージの前に斜めについた階段へ降りて熱唱すると、おやじが足をさわりにくる。蹴飛ばす。かっこいい。
自分の汗と興奮した見物人がまいたビールやジュースで、かばんまでぎとぎとになって会場を後にした。

1998.8.24 中山貴弘

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