99.12.23 Club Snoozer(大阪ベイサイドジェニー)

それまで、会場全体を照らしていた色とりどりの照明が消えて、柔らかい黄色っぽいひかりがステージとフロアを照らしSFUの演奏が始まりました。 悲しいけど、フロアでおどってた人が少し減りました。でも、遠巻きに見ながらも興味津々って感じの人が多かったように思います。まあ、明らかにつまらなそうな人達もいました。確実に。

私はフロア後方にいて、会場のほとんどが視界に入っていたのですが、ステージが前述のひかりでぼわーっと浮かび上がってみえてなんだか幻想的でした。 闇夜の太陽じゃなくて、闇夜の村祭りに遭遇って感じでした。 「ロンドンデリー」から始まって、「ブルーマンデー〜」、「ホライズン〜」とフロアのお客さんは出だしから凄いことになってました。 MCは少なめで、「平和に生きる権利」の演奏前にはヴィクトル・ハラのカバーです、という曲紹介・・初めて見る人達を意識してるのね、と思いました。 この曲で、改めて河村さんの存在感に圧倒されました。SFUを初めてみたときにも思ったのですが、ソロじゃないときにも、それぞれが目立ってるバンドだなと、この日再び思いました。

後半の「エエジャナイカ」、「海ゆかば〜」のときの 空気(特にフロア)はよく言われますが、本当にお祭りの空気でした。 遠巻きに見てる人の中には、お囃子やチンドンに目を丸くしてる様子の人もいて、ここでも初めて彼らを見たときのことを思い出しました。

単純に音楽が好きな人が集まってくるああいう場所で、自分の鳴らす音に心底没頭して、それをそのまま体で表現する数少ない音楽家たちを、あの場にいたつまらなそうにしてた人達が“いいもんみつけたな”と思ってくれてることを願います。

2度目のアンコールでの「アリラン」は、お祭りの締めとして、ぴったりだなと思う半面(ビッグキャットでも思ったけど)こんなとこで聴けるとは・・と、ちょっと苦笑いでした。こういうところもこのバンドの面白さなのだろうかと考えながら帰ったのでした。

1999.12.26 カクウチ echo@mbb.spacetown.ne.jp

魂花レビュー