1997.07.15 伊丹英子インタビュー

「家出のすすめ」でメンバー各自独自行動をしているユニオンですが、伊丹英子さんのお店"Asian Rabbit"を取材してきました。オリジナルTシャツの他、手編み帽、洋服、雑貨などのお店です。松原通の角を少し入った、飲み屋などの入ったビルの1F、グリーンの両開きのドアに円形ののぞき窓がついています。(99年1月より閉店中)

インタビュー・構成: 溝口恵子 mizo@bakkers.gr.jp (97.7.15)


- 洋服屋を開こうと思ったのはいつ頃ですか?

もともとやりたいという気持ちはあったんやんか。でもそんな時間なかったし。ここら一角ふぐやさんの持ちもんで、そこのオーナーと知り合いやった。でそのビルに入っている店の人からも「ヒデちゃんが店出してくれたらいいなー」とかいう話があって。そうこうするうちにまた話が持ち上がって、ここに開店することになった。

- お店開いての感想は。あ、まだあんまり開店から日にちたってませんけど

なんか準備が全然間に合わなくて、前の日、豪雨の中必死でドアとか塗ったんや(笑)。内装も西部講堂の大工やってた友達とか、みんなに手伝ってもらって。だから自分の店っていうよりみんなの店っていう感じ。バンドやってる時みたいに、ここはこうせなあかんとかそういう気持ちはなくて、息抜いてやろうと思ってる。

- 思ったより広くて、窓があって明るいですねー。

ほんとは小さな窓しかなかったんやけど、あと5年でこの建物壊す予定やから中は何してもらってもいいって話だったんで、全部窓にしよう、川(高瀬川)にも降りられるようにしようとかって壁ぶちぬいたら建物が傾いたみたいで、オーナーがあわてて飛んできた(笑)。今は品物があんまりないけど、今度ベトナムに行くから品物を仕入れてくる予定やし。

- この場所、どうですか?

やー、通りがかりで入ってくる人は少ないやろね。でも京都に引っ越してきて1年になるけど、京都と大阪ってまた違うんやね。今のところもじいちゃん、ばあちゃんが多いところなんやけど、そういうところに好んで引っ越してくるって過去に何かあったんやないかって目で見られたりする。過去にはいろいろあったんやけど(笑)。西成とかにも住んでたけど、そんな感じはなかった。西成とかだと結論が先にあって、「自分は〜したい。それは〜だからだ」っていうようなことをまず先にいうけど、京都だと結論につながるまでがすごく遠回りなんや。だからけんかにもならない、っていうか、けんかもできないってかえって怖い気もするし。

- 確かに同じ関西でも京都・大阪・神戸、みんな違いますね

うん。でも悪いとこみるより良いとこみつけようという気持ちはいつももってるし。おじいちゃんおばあちゃんは元々好きやし、段々仲よくなってきてる。「おはよう」とかいっても変な顔される事もあるけど気にしてない。

- ところでWebは見られる環境にあるんですか

いま申請中でもうすぐ見られる予定。PowerBook使っていろいろやってるんやけど、この前この店のDM作ろうと思って日本語のフォント初めて入れたら、泣き顔マックが出てきて、まいった(笑)。

- まえ、Performa買ったっていってませんでした?

あー、あれは店の資金が足りひんかって、売った(笑)。あれ買ったときとか、まわりの皆が「マックって何ができるんや」とか冷たい目でみてて。

- でも今は違うでしょ

うん。スタジオにマック導入したんやけど、河村とかそういうの得意なんで、いますっかり使えるようになってる。

- 通販してほしいという声が多いんですが

それはするつもり。プリントの絵とかとかのせられるように準備してるし。

- そしたらヒデ子さんの方でもページをつくって広告載せたりする予定なんですか

うん。でも今でも東京と大阪結構行ったり来たりが多いし、時間がなかなかとれないんやけど。

- ユニオンが休業中とはいえ、モノノケのライブとか多いですよね

ユニオンのライブ、年末3daysも決まってるしね。

- では最後にファンに一言おねがいします

この店、自分の店いうよりみんなの店って感じなんや。だから気軽に何度も来てもらって、仲よくなって交流を広げたい。置くか置かへんかは別として、何かつくってる人は持ってきてもらったらいいし。

- あのう、ところで、その刺青(足が1本しかない馬の姿をしている妖怪)は何の絵ですか。前から気になってたんですけど

これなあ、き、っていう妖怪なんや。妖怪の中でも位が下で、悪さをするにしても中途半端な事しかできないらしい。そこがなかなか気に入っているところなんや。

- きょうはどうもありがとうございました

Asian Rabbit Post Card

魂花レビュー