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世界は流れる嘘でできている。そんなのガマンできないって。
だったら、チェルシーズのうたを聴いてみな。

「ありのまま」なんて嘘っぱち。そうわかってしまっても、チェルシーズのうたが作る時空をくぐりぬければ、余計な力が洗いながされて、また歩きだせるさ。
走るんじゃないぜ。景色をみろよ。――おおしまゆたか(翻訳家)

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あかまつさん/チェルシーズ
2013.7.14 DANCING PIG CHELCD-002 (JAN: 4571240920206)
販売価格2,000円(税込)
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曲目
01 バナナの木
02 ひるねのにおい
03 おはよう(また夏がきたみたい)
04 眠れぬ夜のかたつむり
05 うろこ雲
06 つらら
07 上司想いの部下のうた
08 ぐるぐる
09 あかまつさん

チェルシーズ
まりりん(うた、ピアニカ、トイピアノ、ホイッスル、その他鳴り物)
ラミ犬(うた、ギター、ウクレレ、ベース、フルート、その他鳴り物)

録音・ミックス・マスタリング
西沢和弥(のんき楽園)2013年2月~3月録音

写真
千絵(CDライナー等と、このページの写真)

全曲解説

まりりん:前作からの3年間で、結婚・引越し・転職・そして2ヶ月先には子が出てくるというなんともややこしいお年頃ですが、その間も変わらず続けてこれたチェルシーズに、深く感謝しています。のんびり聴いていただけたら嬉しいです。

ラミ犬:前にCDを作ってからあっという間に3年たってしまいました。その間にあったことといえば、311をはさんでのまりりんの結婚がやはり大きかったかな。ぼくがやたらめったら反原発デモに参加したりとか。大変動の時代ですが、自分らはあいかわらず淡々とライブや曲づくりを続けてきました。バンドもずいぶん成長したというか、こなれて来た感じがあって、ここらで一区切り記録を残しておきたいという気持ちがありました。そして、レコーディングをはじめる直前に、まりりんに子供ができてることがわかったんです。そんな中で制作された作品です。

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01 バナナの木

沖縄の波照間島をうたった曲。伸び伸びとした緑にソーダ色の海、サンゴざっくさくの海岸で眺めた夕日。運がよければ南十字星が見られます。この島に来ると、人間も自然の一部なのになーということを思い出すのです。(ま)

この曲だけ、ギターなしです。ウクレレをすごく気持ちいい音に録ってもらえました。ベースは、もうこれはポール(←どこの?)に聴かせたいレベルやろ!くらいの勢いで弾きましたよ。鳥の笛は2009年の皆既日蝕の時に奄美大島で耳にした、リュウキュウアカショウビンの声を真似てみました。そしてモダンフルートに初挑戦しました。まりりんがウクレレ、ぼくがピアニカという、非常に危険な組み合わせでしか演奏できないので、ライブでは滅多にやらない曲です。(ラ)

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02 ひるねのにおい

食品のフレーバーを作るのが仕事で、毎日色々な匂いをまとっていました。昼休み明けのフレーバーの調合はときに眠くて眠くて・・調合台の棚に幻を見ました。ああ平和な午後。(ま)

アルバムの2曲目には地味だけどいい曲を置きたい。今回はこれに決定。印象の深い曲です。どこがとは言えないんですが、つくづくいい歌詞だなあと思います。なんか哀感があるんだよなあ(ラ)

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03 おはよう(また夏がきたみたい)

生まれ育った神戸の、須磨~舞子あたりの風景を歌ったものです。JRの須磨駅に行くことがあれば、南側の砂浜に続く階段を降りてみてくださいね。昨年ブラジル音楽(ボサノバ以外の)に凝ってたんで、パンデイロを叩いてみました。どたばたしてますけど、そこはご愛嬌ということで。(ラ)

色で言うと青めの水色。さわやかで、じめっとした感じのまったくない夏のうた。海にお出かけしたくなります。(ま)

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04 眠れぬ夜のかたつむり

ワンルームに住んでいた。ベッドのすぐお向かいには10年選手のひとり暮らしサイズの冷蔵庫があって、眠れぬ夜は寝たふりしながらそいつのうなり音をじっと聞いていた。そういえば最近の冷蔵庫って静かだよね。(ま)

イントロはFolorn Queenというアイルランドの伝統曲です。こちらはアイリッシュフルート(アルミ製だけど)。本編は、我らながらいい曲だなあと思うのですが、ライブで演奏してると眠くなるのが困ったところです。あのインドの鉦がチーンっていうとこがヤバいんですよね。アルファ波が出て。(ラ)

05 うろこ雲

実はぼくは雲マニアだったことがあって(他に藻類マニアだったこともある)、あれは巻積雲、あれは層積雲とかっていつも空をみてたんですけど、そもそもある朝にみたうろこ雲がきれいだったのがきっかけでした。まりりんが入る前の旧チェルシーズ時代からやってる曲です。ピアニカソロがすごくいいでしょ。(ラ)

旧チェルシーズ時代から好きだったゆったりとしたこのメロディー。まさか自分がレコーディングに参加することになるなんて。いわば、あこがれの曲です。(ま)

06 つらら

雪国の晴れた朝は、しんとして冷たくってぴかぴかだ。屋根から下がった見事なつららに、さらにテンションは上がります。(ま)

「北風小僧の寒太郎」のイメージで作りました。エレキギターを冬らしい冷たい音で弾きました。最後の口笛がいい感じ。さらっとやってますが、すごく凝ったつくりで、大好きな曲ですよ。最後のコードがめっちゃ難しいんです、ギター。(ラ)

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07 上司想いの部下のうた

当時、職場と駅前繁華街そばに住んでいたために、夜の遅くまでよく上司に飲みに連れて行っていただいたもんです・・。お酒に飲まれちゃだめですよ、明日も仕事なんだから。(ま)

ある時、アイルランドのMist Covered Mountainという曲をまりりんに練習しといてって頼んだんです。そしたら「替え歌ができた」といって持ってきたのが、これ。そんなこと頼んでないって。ていうか、なんかちゃうやん。微妙にキングクリムゾン入ってないか? よくよく考えると、ちょうどその頃「21世紀の精神異常者」も聴かせたところだったのでした。。。前奏はアイリッシュのButterflyという曲です。(ラ)

08 ぐるぐる

時間は螺旋状に過ぎて行くと、何十年も生きてぼくはやっぱりそう思います。そういう歌。しばらく前に自分内・口琴ブームだったことがあって、その頃よく使ってたゾルタンの口琴を弾いてます。ピアニカのソロが出色の出来です。(ラ)

どう。コーラスがいいかんじでしょう。間奏のギターがかっこいいなと思います。ラミ犬さんが2人いればライブでも再現できるのになー。(ま)

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09 あかまつさん

前に勤めていた会社で同期だったあかまつさん。色々な話をしたり遊びに出かけたりと一緒にいて面白かったのだけど、突然の退職宣言とともにひょいと姿を消したあかまつさん。今頃どうしているのかな。社内旅行はオーストラリアのケアンズで、後から考えると北海岸じゃあないですか。そこ以外は実話をうたっています。(ま)

いなくなってしまったあかまつさんへの哀切な呼びかけ。虫やらヘビやら出てくるのでみんな笑いますが、これができた時、チェルシーズの第二期が始まったことを実感しました。

まりりんから来る歌詞にはいつも日付が書いてあるんだけど、2011.3.10となっているのに気づいたのは、だいぶ経ってからのことです。失われてしまった過去を慈しむ気持ちは、同時に、何か未来につながっていくものなんじゃないでしょうか。そんな気がします。今回のアルバムは、どうしてもこの曲を録音しておかないといけないと思ったのがきっかけで制作を始めました。いやでもやっぱり、ヘンな曲やな、つくづく。(ラ)

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(C) 2013 Chelseas.