2015年のハイライト:ラミ犬編


毎年毎年、ほんとうに「あっ」という間に年末が来てしまいますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。今年のハイライトをちょっと振り返ってみました。

1. ライブ

1/11、ノイズ系の3組に混ざってなぜかラミ犬ソロという、キトゥンカンパニーでのライブが2015年最初のライブだったのかあ(遠い目)。飛び入りとか外仕事(クラシックギター)もやりました。
どれも思い出すと走馬灯(遠い目)ですが、一番の収穫は4/19フレイムハウスでの、良元優作+関島岳郎とのライブです。「きみんち」で関島さんにソロを吹いていただいたという、ウソのようなほんとの話もあったので、証拠写真をごらんください。撮影、しろくろまっちゃさん、ありがとうございます。
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ほか6/28の「賞金争奪祇園バトル」も面白かったですね。賞金を獲得できるのは2位まででしたが、3位になったのが我らながら意外でした。いや、勝つ気やってんけどね(みんな、そうでした)。

2. 観に行ったライブ

Alessi’s ArkもAoife O’Donovanの新バンドも見逃した今年。それでもそれなりに観に行きました。
10/11 テニスコーツ+TAPE。両者の即興かけあいの柔軟さと、TAPEのギターの音がものすごく綺麗なのが印象的でした。
9/21 同じくテニスコーツ。こちらは宇都宮泰さんの講演がメインで、宇都宮さんのマスタリングの秘密が解説される上にテニスの演奏も聴けるという贅沢なイベントでした。この時メモをとってて、我ながら高揚していたのがわかります。
7/16 GANZ toi,toi,toiでの中川敬ライブ。台風来てて、危ない危ないと言われていた中に、100人くらいの猛者が集まってました。ホワイティも全部閉店してるし、異様な雰囲気だったのとあいまって、中川も客もテンション高くて、思い出のあるライブです。
12/4 アルタン。伊丹の小さなクラシック向けホールで、近い距離で観れたのがよかった。前日がダーヴィッシュのライブ(こちらは西宮の巨大ホール)で、これもよかったんだけど、やっぱりアルタンが王者な気がしました。

3. 音源

今年はなぜかジェシ・エド・デイヴィスにハマってました。スライドギターを自分が弾いてみようと思って音源を探してて、スライドを弾いてる人の中で自分に一番しっくりきたのがジェシだったのです。ジョン・レノンの「スタンド・バイ・ミー」の間奏を弾いてる人だといえば、たいていの人は聴いたことあるでしょう。ジェシは3枚しかソロアルバムを出してないので、彼のプロデュース作とか参加作まで手を出しました。
あとは、 何年かに一度くる自分内ボブ・ディランブームがいま来てるとか、あいかわらずニール・ヤングは好きだし。グラム・パーソンズも流しっぱなし。
いま部屋でかけてるのはイアン・マシューズのPlainsong「アメリア・イアハートに捧ぐ」。1937年に太平洋上で行方不明になった、初の女性飛行士といわれる人をテーマにした作品です。いい、これ。

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アメリカ音楽に影響されたイギリス人といえば、ロニー・レインもよく聴きました。ぼくの演奏をみて「カントリーのギターですね」という人が結構いて、自分ではそんなつもりないんですが、やはり影響でかいんでしょうか。ていうか、新しい音楽聴くべきだと思うなぁ…

音源といえばまさに「音源」な、Apple MusicとAWA Musicの無料試用をやってみました。本に出てきた人を聴いてみたい(むかしならいちいち買うしかなかった)というような用途にはとてもよいです。どのみち一生聴いても時間が足りないほどの音楽が手に入る時代、一番好きなもの以外は資料でしかないというのが自分の結論です。そういう用途に、これはとてもよい。試聴してよかったらCDがどうしてもほしくなるんで、買います。ただそういう人ばかりじゃないので、レコード店はどんどん閉店していくしかないのかな。

なおApple Musicはレコメンド機能が強力でした。なるべく色んな音楽にアンテナ広げておくと、面白いものがひっかかってきました。ストリーミングという形態が音楽リスニングを豊かにする可能性があるとすれば、こういうところかな。

4. 本

たくさん読みましたけど、1冊だけあげるなら、これか。

高橋健太郎「スタジオの音が聴こえる」

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これまであまり興味なかった、どのスタジオで録った音がどうというような、オーディオマニア的な分野ではあるけど、「なぜ1972年のレコードは音がいいのか」という論はおもしろかった。とりあえずCDのライナーノートは録音スタジオをチェックするようになりました。今年やたらアメリカンやカントリー系の作品をいっぱい聴いたのは、この本に出てきたからというのも大きいです。

あと子供の読んでる漫画「ハイキュー!!」がいまとても気に入っているところです。3回くらい繰り返して読んでおりますです。

5. その他

仕事なんだけど、9月にアメリカ西海岸に行きました。なんかすごい異文化体験だったんです、これが。仕事そのものは、英語でありながらある意味外国感がなくて、まぁ同業者だからなんとなく通じるところあります。ところが街にでると、コリアンタウンでのアウェイ感、ハンバーガー店でスペイン語にしか聞こえない英語で注文とられて理解できなかったことなど、強烈な印象が残りました。文化の違いという点では、白人文化の方に親和性がある(それが勘違いかもしれなくても)なあというのがひとつ、またこのような多様性を日本社会が包摂することは可能なんだろうか、そんな包容力が日本人にあるんだろうか、というのがもうひとつの所感です。

今年は15年安保とよばれる政治の年でもありました。学生団体への執拗なネットでの匿名バッシング、法案が通ってからの世間の熱の冷め方、そして次の参院選挙には再び自民(そして公明、さらに大阪の維新)が大量当選するだろうと予想されていることなど、まったくもってファシズム前夜の予感がしています。

さて、2016年もいろいろやろう。