Deadheadなのかもしかして:HDCD編


前回はネットで流通している音楽ファイルの話だったが、今回はCDの話。手元にあるグレイトフル・デッドのCDを見るとバックシートに「HDCD」と書いてある。これは High Definition Compatible Digital の略で、20bit~24bit相当のデータを、CDに収められる16bitの音声ファイルにするという、2000年頃に流行った技術らしい。対応したプレーヤーがあればCDでハイレゾ音質が聴けることになる。

うちにあるCDでは、デッドの他、ニール・ヤングのCDにHDCDが多い(デッドもニールも技術だいすきっぽいので、こういうのには飛びついたんじゃないのかな。なんか手品っぽいじゃないですか)。でも、対応するプレーヤーは持ってない。

じゃあどうするかというと、リッピングしてからファイル形式を変換することで、HDCDの恩恵に預かることができる。WindowsならdBPowerampというソフトで、リッピングから変換まで勝手にやってくれる。このソフト、便利だなあと思ってたら有料になってしまった。Windowsだと他に、hdcd.exeというコマンドラインツールで変換ができる。これはWAVからWAVの変換のみ対応。

以前にHDCDはWindowsじゃないと変換できないと聞いてたのだけど、最近になって、Macでも変換できることがわかった。まずはdBPowerampにMac版があるが有料だし、結構高い。無料でやりたければ、ffmpegというコマンドラインツールを使う。(これはFLAC等の変換にも対応)

ffmpegのインストールは次のようにやるとネットで見かけた。
1. ffmpegをダウンロード
2. ‘brew install ffmpeg’ とタイプしてリターン

ダウンロードして「アプリケーション」にコピーしたら終わり、ではなかった。このbrewというのは、Homebrewというまた別のソフトの名前で、先にこれを入れる必要がある。こうやればインストールされる。(ネット上から勝手にファイルを取ってきてインストールしてくれる。なんて便利なんだ)

$ /usr/bin/ruby -e “$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)”

これがインストールできたら、上の2.のコマンドを打ち込んでリターン。こちらもネット上からあれやこれや取ってきて、インストールしてくれた。Windows版はただダウンロードしたら使えた。

ようやく本題に戻り、このffmpegを使えばHDCDのデータを24bitに変換できる。下はMacOSでffmpegを使って、HDCDからリッピングした16bitのFLACを24bitのFLACに変換してみた例。

$ ffmpeg -i Aoxomoxoa.flac -af hdcd Aoxomoxoa24.flac

ひとつ「ほほぅ」と思うのが、24bitにアップコンバージョンした分、音量が下がる点。ネット上で説明を見かけるのだけど、理屈がよくわかりません。16bitのデータ量で0dB(最大音量)になるように調整されているので、相対的に音量が下がる? dBPowerampには、変換の際に勝手に何dBだか上げてくれる機能があります。

以上、音楽の話が全然出てこなかった、音楽を楽しむための準備のお話でした。


Greatful Dead – American Beauty
カントリーロックの名盤と言えましょう。とても音がいいと思います。自分の持っている日本盤CDは、本文で触れたHDCDです。このリンク先のは、わかりません。録音はウォリー・ハイダー・スタジオとのことです。(デッドの作品ではこれだけ?)