四つ切りマスターへの道(カウント・ベイシーとフレディ・グリーン)


ジャズギターで、例えばテンションのいっぱい入ったコードを甘い音色でびろろ~んと鳴らしたりされるとシビレる人も多いかと思いますが、ここで紹介するのはストイックなやつです。

「四つ切り」といって、フォービートをチャッチャッチャッチャッと弾く。渋すぎです。歌なしで人前で弾いてみてもモテたりしないはずです(多分)。

しかしカウント・ベイシー楽団のグルーブ感は、フレディ・グリーンの四つ切りギターから生まれたのです(受け売り)。で、もともとロックでもカッティングのギターが好きなぼくとしては、ジャズギターやるならやっぱ四つ切りやろ、と思ってました。

なんですが、誰もが「伴奏は大事。ソロの基礎にもなる」と力説するわりには、伴奏の弾き方についてみっちり書いてる教本がありません。コードの構成とかは書いてるんですけど、弾くテクニックそのものについての記述はほとんどないに等しい。

実はフレディ・グリーンのサイトのThe Styleという項目にも、弾き方の概説やコピー譜が載ってるんですが、それだけでやるのはちょっとしんどかった。

しょうがないから誰かに習おうかなあとか思ってるうちに見つけたのが、これです:
Swing & Big Band Guitar / Charlton Johnson(翻訳書あり:フレディー・グリーンのリズム・ギター・スタイルで学ぶスウィング&ビック・バンド・ギター

この本はとてもいい「四つ切り」入門書だと思います。リズムギターとは何かというような理屈あるいは哲学のようなことから、実際にどの音をどう押さえてどう鳴らすかという実学まで、そして実学の方はくどいくらいにキーを変えての練習がみっちり書かれています。

具体的に方法を書けば

・テンション音は弾かない
・使う弦は主に 6 4 3 弦
・6弦にルートあるいは3度、5度、7度の音を持ってくる

この基本を知って、あとフレディ・グリーンのサイトを見れば、勘のいい人だったら本なしでもいけるかも知れませんね。この本は他に、コードインバージョンの方法、コードトーンの増減(F13#11と書いてあったらどう弾け、とか)なども詳しく書かれてますので、その辺に自信のない方にはおすすめします。フレディ・グリーン・サイトにもおすすめ本としてあがってます。

ところで映画「スイングガールズ」でパンク系のねえちゃんが四つ切りギターをつまんなそうな顔して弾くシーンが笑えたんだけど、この映画におけるギタリストの役割という渋すぎるレビューを見つけたので紹介:
TAKE THE “JAZZ” MOVIE/第六回 スウィングガールズ Text By 高野 雲
http://www13.plala.or.jp/intro/Archive/takano/Reviews/tS006.htm

*参考音源:Count Basie’s Finest Hour。それとMr. Rhythm / Freddie Greeneってのがマストらしいですが、試聴できないし日本盤が品切れみたいです。なおYouTubeで count basie とか freddie green とかで検索すると、弾いてる姿が見られます。弾いてるところをみないと、どれがギターの音か分かりにくいので、映像はありがたいですね。

2007.3.5記